先日、お誘いいただき館山ボートで青物狙いに行ってきました。
前日に千葉を中心にかなりの雨が降ったため、当日は水潮の影響が強そうな状況。
魚の反応はかなり渋かったものの、試行錯誤しながらシイラとワラサをキャッチすることができました。
そして今回、釣果以上に勉強になったのが青物キャスティングにおけるフック選びです。
「大型魚を狙うなら、とにかく強い太軸フックを付ければ良い」と考えがちですが、実際にはロッドやライン、ドラグ、魚のサイズまで含めたタックル全体のバランスが重要なのではないかと感じました。
今回は、BKK Viper-41 #1からがまかつS-SPMH #1へフックを変更した実釣経験を中心に、連続バラシから考えたことをまとめます。
朝一は潮目でシイラ狙い
朝一はシイラを探してボートを走らせます。
ただ、潮目にはかなりのゴミが流れており、前日の雨と増水の影響を感じる状況でした。
いくつかポイントを回りますが、まったく反応はありません。
ベイトもほとんど見えず、どんどん沖側へ捜索範囲を広げていきます。
海は凪で、釣り自体はかなりやりやすいコンディション。
ただ、魚の気配はなかなか見つけられません。
レガート140Fの高速引きでシイラをキャッチ
当日は明らかに渋そうだったため、ダイビングペンシルでもリアクションバイトを狙いやすいルアーを選択しました。
使用したライトキャスティングタックル
ロッド:シーラプチャー66ML
リール:セルテートSW6000XH
ライン:PE2号+リーダー38lb
ルアー:レガート140F
フック:BKK Viper-41 #1
凪でベイトも見えないため、反射的に食わせるイメージでレガートを高速で引いていきます。
メタルジグも考えましたが、そもそもベイトの姿が見えなかったので、まずはアピール力のあるプラグを優先しました。
何度かポイントを移動しながらレガートをキャスト。
通常のダイブだけでは見切られているような気がしてきたため、途中からかなり速いリトリーブを取り入れます。
何度か全力巻きをしていると、
ゴンッ!
とバイト。
ジャンプはしませんでしたが、引き方からシイラっぽかったので一気に寄せます。
前回のシイラキャスティングでは、船べりから抜き上げる際に戸惑ってバラしてしまったので、今回は何度か追い合わせを入れながら、そのまま一気に水面から抜き上げました。
そして小さいながらもペンペンをキャッチ。

小さいながらも力強いですね。
サイズは50cmほどでしょうか。
フライにすると美味しそうなのでキープします(笑)。
取り込んだ瞬間にフックが外れた
無事にキャッチできたのですが、船へ取り込んだ直後にフックが外れました。
もちろん魚が小さいため、魚自身の重量で深くフックを貫通させにくかった可能性もあります。
ただ、ファイト中にはかなり追い合わせも入れていたので、
「あれだけ合わせたのに、意外と深く刺さっていなかったのかな?」
と少しモヤモヤ。
この後、ワラサを狙う中でも同じ「フッキング」について悩むことになります。
その後は休憩がてらアカハタも狙いましたが、水潮や水温変化の影響なのか全く反応なし。
しばらく粘ったところで諦め、再びメインターゲットの青物を探します。

天気は良いんですけどねぇ。アカハタは全く反応無しでした。休暇中かな?
午後になり、ようやく鳥山を発見
しばらく青物を探していると、遠くに鳥山らしきエリアを発見。
急いで船を回していただきます。
ナブラまでは確認できませんでしたが、まだ鳥はまばらに飛んでいます。
こういう状況は磯でもチャンスになることが多かったので、期待しながらレガートをキャストした一投目。
バコン!
水柱を上げてレガートが襲われました。
ミヨシに立っていたため、数匹の魚がルアーを取り合う姿まで丸見えです。
これはテンション上がります(笑)。
思い切りフッキングし、ガンガン巻いてくると水面まで上がってきたのはワラサ。
これはキャッチしたい。
タモ入れの準備を待ちますが、同船者も一斉にヒットして船上はてんやわんや。
そうこうしているうちに魚が船べりで突っ込み、そのままフックアウトしてしまいました。
3人で掛けたものの、キャッチできたのは1匹。
なかなか厳しい戦いです。
再びヒットするも、またフックアウト
凹みながらも、再度レガートをキャスト。
高速巻きしてくると、またもやヒットしました。
今回も強めに合わせます。
しかし、しばらくファイトしたところで再びフックアウト。
この辺から、
「またバラした……」
とかなり凹み始めます(笑)。
その後鳥山が落ち着いたので、船長にもアドバイスをいただきながら、自分のファイトやタックルセッティングを見直してみると、まず気になったのがドラグ設定でした。
ミヨシでは船べりのファイトが難しくなることもある
さらに今回、自分はミヨシからファイトしていました。
今回乗ったようなミヨシの高い船では、胴の間と比較して船べりでライン角度が急になりやすく、魚の動きによってはファイトが難しくなる場面があります。
理由の一つが、ミヨシ特有の「高さ」と「船体形状」です。
ミヨシは海面から高いため、魚が船べりまで来るとライン角度が急になります。
さらに魚が船底方向へ突っ込んだ場合、胴の間と比較してロッドを海面方向へ下げながら追従できる範囲が小さくなることがあります。
今回の自分のファイトを振り返ると、
沖でヒット → 強めのドラグで寄せる → 残り5〜10m → 魚が船を見て反転 → ミヨシ直下へ突っ込む
という流れ。
まさにバラしやすい条件を自分で作っていたように思います(笑)。
ラインが短くなった状態で急角度になり、さらに強いドラグが掛かっていると、魚の反転や首振りによる衝撃がフック周辺へ集中しやすくなります。
ここでロッドを立てたままにしてしまうと、魚の動きへ追従できる余裕も小さくなります。
一方、胴の間では海面との距離が近い船も多く、ロッドティップを海面付近まで下げながら魚の横方向の動きへ追従しやすい場面があります。
もちろん船の形状や魚の方向によって条件は変わりますが、今回の経験では「掛けた場所だけでなく、船べりでどこからファイトするか」も大切だと感じました。
ショアの感覚でドラグを掛けすぎていた
もう一つ気になったのがドラグ値です。
普段は磯や大物釣りが多いため、魚に主導権を与えたくない場面ではかなり強いドラグを使います。
例えばカンパチのジギングなどでは、タックルや状況によってかなり強いドラグを掛け、ヒットしたら強く合わせて一気に寄せることもあります。
一方、今回使っていたのはPE2号のライトキャスティングタックル。
シーラプチャー66MLも大型ロックショアロッドと比較すれば柔軟に曲がるロッドです。
つまり、普段使っているPE4号以上の大物タックルと同じ感覚でファイトするのではなく、今回のタックルに合わせたドラグ・フッキング・ファイトを考える必要があります。
そこで、もう一つ気になったのがフックでした。
Viper-41 #1からS-SPMH #1へ変更してみる
ここまで何度か魚を掛けながらバラしていたため、
「今のタックルパワーに対して、フックが強すぎるのでは?」
と考えました。
大型魚用の太軸フックは強度面では安心できます。
しかし、その分だけ線径も太くなり、フックポイントを深く貫通させるためには相応の力が必要になります。
そこでレガート140Fのフックを、
BKK Viper-41 #1 → がまかつ S-SPMH #1
へ変更しました。

そんなに変わらないように見えますが、これがこの後影響してきます。
狙いは、フック強度を少し落とす代わりに線径を細くし、今回のPE2号タックルでもより深く貫通させやすくすること。
さらにS-SPMHは針先がやや内向きなので、魚の口周りへ針先が触れた際に、しっかりフックポイントを乗せられないかと考えました。
トレブルフックの強度・重量を比較しています
S-SPMH・SPH・ST-46・STX-58などの強度や重量については、別記事でも詳しく比較しています。
フック・ドラグ・ファイト位置を変えて再挑戦
しかし、フックを変更した頃には先ほどの鳥山は消えてしまいました。
タイミングが合わないなぁと思いつつも、諦めずにポイント移動とキャストを繰り返します。
そして何度かポイントを移動した後の一投目。
ドンッ!
水面がバタつき、再びヒットしました。
今回は先ほど船長からいただいたアドバイスも意識します。
魚を寄せながらドラグを調整し、さらにミヨシから胴の間へ移動してファイト。
何度も魚に突っ込まれますが、今度は焦らず追従しながら寄せます。
そして最後は無事にネットイン。

リベンジ達成!嬉しいですね。
ようやくワラサをキャッチできました。
いやぁ、リベンジできたのは嬉しいですね(笑)。
もちろん、たまたまフッキング位置が良かった可能性もあります。
今回はフックだけでなく、ドラグ設定やファイトする位置まで同時に変えているため、S-SPMHへ交換したことだけがキャッチにつながったとは言えません。
ただ、船長から教えていただいたことと、自分なりに考えたセッティング変更が結果につながったのは大きな収穫でした。
重量の近いフックを探すシミュレーターも作ってみました
フックを交換するときに意外と気になるのが重量差です。
特にダイビングペンシルでは、フック重量が変わると浮き姿勢やアクションまで変化することがあります。
そこで、現在使っているフックから重量の近い別モデル・番手を検索できるシミュレーターも作っています。
その後はヘビータックルで追加を狙う
ワラサをキャッチした後は少し魚の気配が薄くなってきました。
そこで、ヘビータックルを投げ込む練習も兼ねて自作プラグをキャストします。
使用したヘビータックル
ロッド:トランスセンデンス ラウラウ83S v3.1
リール:ダイワ 20ソルティガ8000H
ライン:PE4号+リーダー100lb
ルアー:自作ダイビングペンシル 190mm
この組み合わせでしっかりキャストしたのは初めてでしたが、ラウラウの感触はかなり良いですね。
自作プラグが気持ち良く沖まで飛んでいきます。
そして遠投した先でプラグを引いていると、水面がざわついてヒット。
……と思ったのですが、すぐにフックアウト。
引きからすると小さいペンペンだったかもしれません。
自作プラグでのキャッチはできませんでしたが、魚から反応を取れたことには満足です。
青物のフック選びはタックル全体のバランスが大切
今回の釣行で一番感じたのは、
「強いフックを付ければ、それだけで正解というわけではない」
ということでした。
今回使用したBKK Viper-41がダメなフックだと言いたいわけではありません。
むしろ、より強いタックルや大型魚を相手にする場面では、Viper-41のような強度のあるフックが必要になるケースも多いと思います。
今回はPE2号+比較的柔軟なライトキャスティングロッドという組み合わせでした。
そこへ強度を優先した太軸フックを組み合わせたことで、自分のフッキングやタックルパワーでは十分に貫通させきれていなかった可能性があります。
S-SPMH #1ならどんな魚にも最適というわけではない
今回S-SPMH #1で掛かった魚はワラサクラスだったため、結果的には問題なくキャッチできました。
しかし、これが150cmクラスの大型シイラや10kgクラスのキメジなどであれば、今度はフック強度が不足する可能性も考える必要があります。
つまり、
フック強度
線径と貫通力
ロッドのパワー
PE・リーダーの強度
ドラグ設定
狙う魚のサイズ
ルアーの浮力・アクション
まで含めて考える必要があるということです。
「掛ける力」と「掛けた後の力」は分けて考える
今回もう一つ感じたのが、
「掛けるための力」と「掛けた後に魚を獲るための力」は分けて考えた方が良い
ということです。
フッキング時にはフックポイントを十分に貫通させるためのテンションが必要です。
一方で、魚が船べりまで寄ってからも強いドラグのままだと、反転や首振りによる衝撃がフックや魚の口周りへ集中することがあります。
特に今回のようなPE2号のライトキャスティングでは、沖ではしっかり魚を寄せつつ、船べりでは魚の動きに合わせてドラグやロッド角度を調整することが重要だと感じました。
今回のワラサをキャッチできた理由は一つではない
今回、最終的にワラサをキャッチするまでに変更したのはフックだけではありません。
Viper-41 #1からS-SPMH #1へ変更すると同時に、
- ドラグ設定を見直した
- ミヨシから胴の間へ移動した
- 船べりで無理に魚を止めないようにした
- 魚の突っ込みへロッドとドラグで追従した
というファイト自体の変更も行っています。
そのため、「S-SPMHへ交換したからワラサをキャッチできた」と断定することはできません。
ただ、今回の経験から、ライトキャスティングタックルでワラサクラスを狙う場合には、単純に強度だけを優先して太軸フックを選ぶのではなく、
「そのタックルパワーで十分にフックを貫通させられるか」
まで考えることが大切だと感じました。
魚のサイズ、タックル、ルアー、フック、ドラグ。
どれか一つだけを見るのではなく、全体のバランスを考える。
今回の館山ボート釣行では、改めてその重要性を勉強することができました。
Viper-41とS-SPMHの線径・重量を比較
今回使用したBKK Viper-41と、交換したがまかつS-SPMHの線径・重量を比較してみます。
S-SPMHは#1までのサイズ展開なので、1/0・2/0については通常のSPMH(トレブルSP MH)の数値を使用しています。
がまかつ公式では、S-SPシリーズとSPシリーズの線径・重量には互換性があるとされています。
Viper-41については、手持ちの#4・#2・#1・1/0をデジタルノギスで実測。
所有していない番手については、実測値と重量推移から推定した線径を記載しています。
Viper-41とS-SPMH / SPMHの比較表
| サイズ | S-SPMH / SPMH 線径 |
Viper-41 線径 |
S-SPMH / SPMH 重量 |
Viper-41 重量 |
|---|---|---|---|---|
| #6 | 0.99mm | 約1.18mm※ | 0.57g | 0.82g |
| #5 | 0.99mm | 約1.28mm※ | 0.60g | 0.93g |
| #4 | 1.07mm | 1.39mm(実測) | 0.74g | 1.22g |
| #3 | 1.16mm | 約1.47mm※ | 0.91g | 1.40g |
| #2 | 1.26mm | 1.55mm(実測) | 1.20g | 1.78g |
| #1 【今回使用】 |
1.36mm | 1.69mm(実測) | 1.50g | 2.15g |
| 1/0 | 1.46mm※※ | 1.77mm(実測) | 1.80g※※ | 2.66g |
| 2/0 | 1.56mm※※ | 約1.96mm※ | 2.30g※※ | 3.60g |
※Viper-41の#6・#5・#3・2/0の線径は、実測した番手と重量推移から算出した推定値です。
※※S-SPMHは#1までの展開のため、1/0・2/0は通常のSPMH(トレブルSP MH)の数値を使用しています。
今回交換した#1では線径が約0.33mm細くなった
今回レガート140Fで実際に交換した#1同士を比較すると、
BKK Viper-41 #1
線径:1.69mm(実測)
重量:2.15g
↓
がまかつ S-SPMH #1
線径:1.36mm
重量:1.50g
線径では0.33mm、約20%細くなり、重量では1本あたり0.65g軽量になります。
レガート140Fは前後2本のトレブルフックを使用するため、Viper-41 #1を2本からS-SPMH #1を2本へ交換すると、フック重量は合計4.30gから3.00gへ、約1.30g軽くなる計算です。
もちろん、線径が細ければ必ずフッキングが良くなるわけではありません。
フックポイントの形状、ゲイプ、素材、魚の掛かり方、ドラグ設定など複数の要素が関係します。
また、フックが1.30g軽くなればルアーの浮力や浮き姿勢、アクションにも影響する可能性があります。
フッキング性能だけでなく、ルアー全体のバランスを確認しながら交換することが大切だと学ぶことが出来ました。
番手別の線径をグラフで比較
まずは線径を比較します。
同じ番手でもViper-41の方が太軸になっていることが分かります。
■ S-SPMH / SPMH ■ Viper-41
#6
#5
#4
#3
#2
#1【今回使用】
1/0
2/0
※Viper-41の#6・#5・#3・2/0は推定線径です。
番手別の重量をグラフで比較
次に重量を比較します。
Viper-41は線径だけでなく、同番手のS-SPMH / SPMHと比較して重量も大きくなっています。
#6
#5
#4
#3
#2
#1【今回使用】
1/0
2/0
Viper-41の線径は実際に測定しています
Viper-41の#4・#2・#1・1/0については、実際にデジタルノギスを使って線径を測定しています。
未所有番手の推定方法や、SPMH・SPH・SPXHとの線径比較についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
また、フック交換時に重量の近いモデル・番手を探したい場合は、フック重量シミュレーターも利用できます。
トレブルフック選びをもっと詳しく
フックの強度・重量・線径や、各モデルの違いについては以下の記事でもまとめています。
